休日ともなるとひたすら引篭もってしまう僕は、
妻に
「明日は紅茶の講演会に一緒に行きましょうね」と言われても、
「起きれたらね」と腑甲斐無い返事をする。
朝になって目覚ましが鳴り、
10時にはなんとか起きれたと思っていたら、
「10時30分には家を出発します」と言ってた妻がすやすや寝ていた。
もしや、「もう講演会にでかけて帰ってきたのかい?」
「学生さん達は後ろの方に座るから前に座れますよ」と、
11時30分くらいになって電車に乗ってから妻が言う。
会場には12時55分に着いた。
開始は13時からなので、なんとか間に合ったが、
一番後ろに6席の空席を見つけるのが精一杯だった。
13時15分あたりから、メモをとりたくなった。
僕は記憶力はよい方だが、
流石にメモをとった方が記憶の持ちがいい。
横にいる妻はほとんど知っていることばかりのようで、
あまりペンが進んでいる様子はなかった。
15時10分まで講演会は続いた。
久しぶりに歩くキャンパスという名のついた場所は、
初めて来たキャンパスなのに、どことなく懐かしい。
15時35分までゆっくりと歩いて門を出た。
でも、ここは僕の知っている、僕の好きなキャンパスじゃない。
折角日比谷線で埼玉方面まで赴いたので、
カフェ・バッハに立ち寄ってみた。
16時10分ともなるとコートを着ていても少し肌寒く、
店内の暖かさとコーヒーの香りは心地よい。
雑誌の写真で見る限りでは、クラシカルな雰囲気を想像していたのだが、
どちらかというと「地域密着型」の店らしく、
いかにも「常連」な人達がリラックスした服装と物腰で賑わっていた。
コーヒーは焙煎具合を選ぶことができ、
僕は比較的浅煎りのブルーマウンテンを注文した。
それは、ダブルコーヒー・スタイルで運ばれてきた。
こうして、妻と相向かいに座って談笑しながら、
妻が紅茶を飲み、僕がブルーマウンテンを飲んでいると、
初めて来た喫茶店なのに、どことなく懐かしい。
17時10分になるまでゆっくりとコーヒーを飲んだ。
でも、ここは僕の知っている、僕の好きなあの喫茶店じゃない。
17時20分、帰りの電車に乗車した。
電車の中で、妻と年末の予定について話す。
僕達の知っている、僕達の好きな場所に帰る予定について。
付記:
講演会はとてもよかったです。
また機会があれば参加したいと思わせる内容と講演者の御人柄でした。