振り返れ。
振り返ることは弱さじゃない。
振り返ることは罪悪じゃない。
仮に振り返ることに罪悪があるとするなら、
それは、振り返ることを罪悪であるかのように思わせることだ。
「もうあの頃には戻れない」なんて、
まったく当たり前の話だ。
あの頃に戻るために振り返るんじゃない。
あの頃の信念を、誇りを、
再び肉体に取り戻すために振り返るんだ。
振り返らずに進むことはない。
進まずに振り返ることはない。
進みながら振り返ればいい。
振り返りながら進めばいい。
肉体に信念と誇りを保ちながら、進んでいけばいい。
あの時と同じ信念と誇りである必要なんかない。
あの時の僕らの肉体に、
確かに信念と誇りが満ちていた感触を思い出せばいい。
だから、振り返れ。
願わくば、その肉体が信念と誇りで満ち溢れんことを。
願わくば、「あの時」が未来への糧とならんことを。