その落下地点が平面であるなら、
コインは表か裏のどちらかを僕に示すだろう。
このことを「確率は2分の1」などと言うことがある。
2枚のコインを放り投げて、
その両方が表になる可能性は、
(1/2) * (1/2) = 1/4で、
このことを「確率は4分の1」などと言うことがある。
だが、コインを投げるということは、
たった1度きりの出来事なのだ。
その時、その瞬間に放り投げられたコインは、
1つのあり方しか僕に示さない。
裏になったコインを見ていても、
それは決して表にはならないし、
表であることの何ものも表象してはいない。
確かに、裏でしかない。
可能的世界のコインは、あの瞬間、
表を示したのかもしれない。
残念ながら僕は「猫を飼っていない」のでわからないし、
少なくとも、僕の目の前のコインは裏だ。
よくわからない。
最も確からしい方を選んでも、
結果がどうなるかは、結果次第だ。
放り投げたコインは、
「2分の1」の放物線を描きながら、
「1」の地点へと落ちていく。
いったい、どういうことなのだろう。
「2分の1」から「1」への遷移で起こっていることは、
いったい、どういうことなのだろう。
とりあえず、考えている暇はない。
時間は刻々と迫っている。
この30*16の最も右下をクリックするのだ。
それが爆弾であろうとなかろうと、
マインスイーパを制覇するには、それしかない。